オフィスホワイトニングとは?効果と持続期間・費用
オフィスホワイトニングは、自宅でのケアを行うホームホワイトニングと異なり、ホワイトニングの治療を全て歯科クリニックにて行う方法です。どのような方法でオフィスホワイトニングの治療が進められていくのか、特徴や効果などを紹介していきます。
- オフィスホワイトニングとは?その特徴と効果
- オフィスホワイトニングの効果の持続期間
- オフィスホワイトニングの費用
- オフィスホワイトニングの流れ
- オフィスホワイトニングのメリット
- オフィスホワイトニングのデメリット
- オフィスホワイトニングの種類
- オフィスホワイトニングの選び方
- オフィスホワイトニングのメカニズム
- オフィスホワイトニングの注意点
- ワンポイントアドバイス
- ホワイトニングでよくある質問
オフィスホワイトニングとは?その特徴と効果
オフィスホワイトニングとは、歯科医院でしか利用できない歯にやさしくて効果のある、高濃度の漂白剤を使用して歯を白くするホワイトニング方法です。初めに歯科医に歯の状態を確認してもらい、どのくらい着色が進んでいるかを診断してもらいます。その後、歯肉を保護してから歯にホワイトニングの薬剤を塗り、漂白していきます。
ホームホワイトニングと比較すると、オフィスホワイトニングはたった1回でも効果が出やすいのがメリットです。即効性が高いことから、歯のホワイトニングの期間を短縮することにもつながります。ホームホワイトニングよりも高濃度の薬剤を使用しますが、もともとホワイトニングに使われる漂白剤は歯を傷めることはないので、歯が傷つく心配のない薬剤です。オフィスホワイトニングでは、歯科医がホワイトニング用の機械を使用して治療してくれるのもメリットの一つです。
場合によっては、ホームホワイトニングとの併用で治療を進めることもあります。歯のエナメル質が薄いときなど、1回のオフィスホワイトニングでは効果が出にくいことがあるからです。また、歯の変色があまりにも強いときにも、思ったほどのオフィスホワイトニング効果が出ない可能性があります。歯の詰め物やクラウンにも、別途の対応が必要です。歯科医によっても、オフィスホワイトニングの方法は異なります。
オフィスホワイトニングの効果の持続期間
オフィスホワイトニングでは濃度の高い漂白剤を歯に塗ったうえで、薬剤による漂白反応を促す強いライトを歯に当たることによって、1度でも目立った効果が表れるのが特徴です。ただし、時間をかけておこなうホームホワイトニングと比較すると薬剤の浸透は浅いため、色の戻りが早く、その効果の持続期間はおよそ3ヵ月から6ヵ月と言われています。
ちなみにホームホワイトニングの持続期間は6ヵ月から1年ほど、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを両方行うデュアルホワイトニングの持続期間は1年から3年ほどと言われています。
オフィスホワイトニングの費用
オフィスホワイトニングの料金相場は、1回10,000円~70,000円程度です。
「ワンコイン」、「500円」と掲示しているクリニックもありますが、これらは基本的に歯1本あたりの価格で、通常ホワイトニングは上下20本行うと10,000円程度となります。
また、オフィスホワイトニングの効果の持続期間は約3ヵ月から6ヵ月で、3ヵ月ほどたつと色が徐々に戻ってきます。歯の白さを維持するには定期的にメンテナンスを行う必要があります。メンテナンスといっても、ホワイトニング施術以外の特別なことを行うわけではなく、クリニックでホワイトニングを再度受けることを意味します。そのため、費用は通常の料金と変わりはありませんが、クリニックによっては、割引やコースなどで安くなるところもあるため、事前にチェックしておきましょう。特に、「初回限定」などの特別価格を用意しているところもありますが、必ず2回目以降の料金も施術を受ける前にチェックしておきましょう。
さらに、あらかじめどのような追加費用があるかチェックしておくことも必要です。 例えば、ホワイトニングを受ける際に診察料などの料金がかかる場合もあるため注意してください。クリーニングを合わせて受ける場合は5,000円から10,000円程度の追加費用を想定しておきましょう。
保険が適用できるかという疑問がよくありますが、ホワイトニングは、審美目的の治療のため、保険適用はできません。そのため、クリニックが独自に費用を決める自費診療となります。ホワイトニングではありませんが、歯についた歯石などを除去するクリーニング(PTMC)は保険適用で受けることができます。クリーニングで歯の汚れを落とすと歯が白くなることがありますが、審美目的のホワイトニングの効果とは異なるものと考えるほうがいいでしょう。
オフィスホワイトニングの流れ
オフィスホワイトニングの一般的な流れは以下の通りです。
- ホワイトニングに関しての説明とカウンセリング
- 口内の状態確認
- 歯の色を測定
- 口内のクリーニング
- 口を固定
- ホワイトニングジェルを塗布
- 光を照射
- フッ素塗布
- アフターメンテナンスの説明
希望する白さを確認し、ホワイトニングの種類の選択や説明を行います。
歯周病や重度の虫歯、歯にひび割れがある場合はホワイトニングの前に治療を行う必要があるため、ホワイトニングを行って問題がないか事前に口腔内のチェックをします。
現状の歯の色をチェックし、ホワイトニング後の歯のイメージを共有します。
歯の汚れや着色状態を確認して、ホワイトニングを行う部分の汚れを落とします。また、汚れがひどかったりすると、必要に応じてクリーニング(PTMC)を先に行う場合もあります。※クリーニング(PTMC)を行う場合、同日にホワイトニングができない場合があります。
口を開けたままに固定する開口器(マウスリトラクター)をつけます。
歯茎、唇にホワイトニング薬剤が触れないように保護してから、歯に薬剤を塗っていきます。
薬剤の漂白効果を活性化させるために、10-15分ほど光照射を1-3セット行います。※コースよって照射時間、繰り返しの回数は異なります。また、光照射を行わないホワイトニングもあります。
ホワイトニング薬剤の影響で歯の表面がでこぼこになっているため、このでこぼこをなくす(再石灰化の促進)ためにフッ素を塗ります。
ホワイトニング後に歯の色のチェックとアフターメンテナンスの説明を行います。
※施術時間の合計は1時間から2時間程度が一般的です
オフィスホワイトニングのメリット
短期間で効果がでる
歯科医院でしか利用できない高濃度のホワイトニング剤(歯を漂白する過酸化水素の濃度30%以上)と漂白の効果を促進させるライトを使用するため、短期間での効果期待できます。
塗りムラがなく、綺麗な仕上がり
ホワイトニングを行うのは歯科医師、もしくは、歯科衛生士が行うため、薬剤の塗りムラがなく、綺麗な仕上がりが期待できます。
手間がかからない
クリニックに行く必要はありますが、早くて1回1-2時間ほどの施術で効果が実感できるので、毎日ホームホワイトニングを続けるのが面倒な人にはよいでしょう。
オフィスホワイトニングのデメリット
費用が高い
ホワイトニングの効果が高い分、1回の施術が約2-5万円と費用が高い点はオフィスホワイトニングのデメリットの一つです。また、クリニックごとの値段に差も大きい為、クリニック選びが肝心ですが、費用だけでなく、効果・痛みなど複数のポイントから納得できるクリニックを選びましょう。
3ヵ月から半年で色戻りが起きる
漂白効果の即効性がある分、効果の持続期間は短く、約3ヵ月から半年で色が戻ってしまいます。効果を持続させるには、普段のケアだけでなく、クリニックでの定期的にメンテナンスを行う必要があります。
痛み・知覚過敏が起きる場合がある
ホワイトニング剤が強すぎることや施術中のライトの熱によって歯が痛むこと、また、知覚過敏が起きる場合があります。オフィスホワイトニングでもライトを使用しないものやホワイトニング剤の濃度・種類によって痛みがでにくいものもあるので、痛みが不安な方は予め相談しておくとよいでしょう。
クリニックに通う必要がある
オフィスホワイトニングは歯科医院でしか使用が認められていない薬剤を使用するため、どうしても通院する必要があり、忙しい方にとってはデメリットとなるでしょう。
オフィスホワイトニングの種類
基本的にホワイトニングでは、薬剤を歯に塗った後に特殊な光をあてることで、薬剤の漂白効果を作用させるものですが、オフィスホワイトニングにも様々な種類があり、光を用いなかったりと、その種類によって効果や費用も違ってくるため、代表的なものを紹介します。
ハイライト
初期に行われたオフィスホワイトニングで、現在のオフィスホワイトニングのベースとなっている方法です。ホワイトニング剤を塗った歯にハロゲンライトをあてて少しずつ歯を白くします。一般的に1回の施術で1-2段階白くなると言われています。1回の治療による効果は高くないため、数回の施術が必要な場合が多いです。
レーザーホワイトニング
ハロゲンライトに代わって、ホワイトニングに有効とされる波長のダイオードレーザーを用います。レーザーでホワイトニング剤を活性化させることでハイライトよりも短時間で効果的に1-2回の施術で3-4段階ほど歯を白くすることができます。
デメリットとしては、歯の1本1本にレーザーをあてる施術のため、1回1時間から1時間半ほどと、治療に時間がかかります。当初は、アルゴンレーザーが使用されていましたが、製造中止にともなって現在はダイオードレーザーが使用されています。
スピードホワイトニング
プラズマアークやキセノンランプというパワーの強いマシンを使って、アルゴンレーザーに劣らないホワイトニントニング効果で、1-2回の施術で3-5段階ほど歯を白くすることができます。レーザーホワイトニングの代替の施術法として費用が安いのも特徴です。
レーザーホワイトニングと同様に、歯に1本ずつ光をあてるため、施術が1回1時間から1時間半ほどかかります。スピードホワイトニングという名前ですが、これは、ホワイトニング剤の活性化が早いという意味で、治療期間が短くなるという意味ではない点には注意が必要です。
FAPホワイトニング
「日本人のためのホワイトニング」とも呼ばれ、「痛み」や「歯のしみ」、「色戻り」が少ない点が特徴のホワイトニングです。FAPとは、「フッ化アパタイト」という歯の再石灰化に不可欠のもので、ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素に加えて、リン酸、フッ素、ハイドロキシアパタイトを配合した低濃度の薬剤を使用し、光をあてずにホワイトニングします。1回の治療による効果は高くないため、基本的に5回程度の施術が基本となっています。
ブライトスマイル
プラズマライトをアーチ型にしているので、歯の全体に1度に光をあてることができます。NASAの科学者が開発したホワイトニングシステムで、1回約1時間の治療で、8-10段階ほど一気に歯を白くすると言われています。現在はさらに効果がアップし9-11段階白くできるブライトスマイル2が登場しました。また、1回60,000円ほどと効果が高い分、費用と高めとなっています。
ズーム(ZOOM)
ブライトスマイルに対抗して開発されて、前歯全体に光をあてることができます。鉄イオンを触媒とし、波長の短い高出力のメタルハイドという光によって、1回で4-6段階ほど歯を白くできると言われています。また、光の性質のため、歯が強くしみる場合があり、既に歯がしみている方やしみるのが苦手な方は避けた方がよいかもしれません。
ビヨンド(BEYOND)
中国初のホワイトニングシステムで、ズームを参考につくられており、前歯全体に光をあてることができます。1回で5段階ほど白くできると言われていますが、効果の面では、ズームが上回っています。国内の導入実績も数多くあり、高く評価されているといえます。
ポリリン酸ホワイトニング
ポリリン酸ホワイトニングとは、ホワイトニング剤の主成分である「過酸化水素」に「ポリリン酸ナトリウム」を加えて使用するホワイトニングです。ポリリン酸ホワイトニングの特徴は、「痛みが少なく」、「着色しにくい自然な白さ」と「透明感」です。ホワイトニングと同時に、歯にステインや歯石がつくのを防ぎ、「歯の表面をコーティング」してくれます。また、施術回数に制限がなく、次の施術まで期間をあける必要もありません。さらに、薬剤の刺激が強くないので、歯茎を保護する必要がなく、根元のギリギリまで白くできる点もポイントです。
オフィスホワイトニングの選び方
最近ではホワイトニングができる歯医者さんも増えてきて、どこを選べていいのか迷う方も多いのではないでしょうか。そこで失敗しないためのポイントをいくつか紹介します。
カウンセリングが丁寧
自分の希望、予算、白くするまでの期間をしっかり伝えた上で、あなたに最適の治療法を丁寧な説明で勧めてくれるクリニックを選びましょう。結果が自分の理想と違って、1回で白くなると思っていたのに思ったほど白くならず後悔することがないように事前の確認が重要です。
料金が明確
オフィスホワイトニングは必ずしも1回で希望の白さになるわけではありません。初回だけの料金でなく、2回目以降の料金も確認しておきましょう。また、安さだけで選ぶのは注意が必要です。初回限定の価格設定であったり、歯の本数ごとに料金を設定し、追加1本につき1000円の追加料金などの場合もあるので注意が必要です。
ホワイトニング以外のトータルな歯のケアができる
ホワイトニングを行う前に歯周病や虫歯のチェックなどを行いますが、それは、ホワイトニングによる歯の美しさも、口の中の健康が保たれた健康が保たれていることが条件だからです。そのため、ホワイトニングだけでなく、歯をトータルでケアできる総合歯科であれば、虫歯や歯周病の治療が同時にできるなど、歯の全体を「審美面」と「機能面」からケアでき、「白くて美しい、健康的な歯」を手に入れることができるでしょう。
オフィスホワイトニングのメカニズム
上述のように、オフィスホワイトニングにはいくつかの方法があります。以下、一般に行われている過酸化水素を使用したオフィスホワイトニングのメカニズムについて確認しておきましょう。
過酸化水素が歯の表面を無色透明にする
オフィスホワイトニングで広く用いられている過酸化水素は、化学式で「H2O2」と表記します。この「H2O2」が口の中に入ると、「H」が1つ抜けて「HO2」という非常に不安定な物質へと変化します。不安定な「HO2」は安定を求め、歯のエナメル質にある着色物質に吸着し、その着色物質を破壊。これにより、歯の表面のエナメル質は無色透明となります。
歯の見た目にマスキング効果が現れる
エナメル質の奥には象牙質というクリーム色の組織があるため、エナメル質が無色透明になると象牙質の色が透けてしまい、歯は白く見えません。オフィスホワイトニングでは、この無色透明のエナメル質に作用を及ぼし、歯の表面を「曇りガラス」のような状態へと加工。これにより、歯の表面に光の乱反射が起こり、本来は象牙質が透けてみえるはずの歯の表面が、白く輝いて見えるようになります。いわゆるマスキング効果により歯を白く見せている、と考えれば良いでしょう。
オフィスホワイトニングの注意点
オフィスホワイトニングを受けた直後は、歯は通常とは違った状態となっています。通常の状態に戻るまでの間、食べ物や飲み物に注意するようにしてください。
強い酸性の飲食物を避ける
歯の表面にある被膜(ペリクル)が再生されるまでの間(12~24時間ほど)は、歯が溶けやすい状態となっています。歯への負担を避けるため、この間はレモンやオレンジなど、強い酸性の飲食物を避けるようにしてください。
色素の強い飲食物を避ける
同じく被膜(ペリクル)が再生されるまでの間は、歯に色が付きやすい状態となっています。色素沈着を避けるため、コーヒーや緑茶、紅茶、赤ワイン、カレーライス、チョコレート、ブドウなど、色素の濃い飲食物を摂らないようにしてください。口紅も歯に触れさせないようにしましょう。ヤニの沈着を避けるため、喫煙も控えてください。
なお、上記の飲食物を避けるべき時間については、クリニックによって「1時間」「12時間」「24時間」「48時間」など、かなり見解が異なるようです。施術を受けたクリニックの指示に従うようにしてください。
ホワイトニングを考えている人へ
ワンポイントアドバイス
オフィスホワイトニングは、歯科クリニックに通院する必要がありますが、ホームホワイトニングのように歯が白くなるまでに時間がかからず、治療の当日中に効果を実感できるのがメリットです。理想的な歯の白さをすぐに確認できるので、やり甲斐を感じられます。白くしたい歯の本数分の費用がかかることは、あらかじめ考慮しておきましょう。
ホワイトニングでよくある質問
-
Question01
オフィスホワイトニングの方法は、どこの歯科でも同じ?
オフィスホワイトニングでは、光の力で歯を白くする機械を使っています。歯科クリニックによっても、光の種類は異なるので、あらかじめ気になる歯科クリニックで使用されている機械をチェックしておきましょう。代表的な光の種類は、ガスプラズマ、メタルハライド、LED、ハロゲンなど。また、同じ光を使用していても、機械の種類によってホワイトニングの段階を調節することもできます。機械によっては、8段階もの白さの調節まで可能です。
-
Question02
虫歯があるときでも、オフィスホワイトニングを受けられる?
オフィスホワイトニングに用いられる薬剤は、安全性に配慮されているものの、非常に刺激の強い高濃度の漂白剤です。虫歯など、ホワイトニング以外で治療中の歯がある場合は、ホワイトニング剤が浸透して刺激してしまうことがあります。そのため、事前に虫歯を治療しておくことが大切です。歯の表面のエナメル質が剥がれてきてしまっている場合も、神経の保護が薄くなり、象牙質への刺激が伝わりやすくなります。このため、オフィスホワイトニングは向かない場合があります。
-
Question03
ホワイトニングの効果を長持ちさせるには?
まず、ホワイトニングの効果は永久的に持続しないので、効果を持続させるためには、定期的にホワイトニングを受ける必要があることを確認しておきましょう。それ以外には、クリーニングで歯の表面の汚れを定期的に落とすことも歯の白さ持続に有効です。
また、歯を着色してしまう飲食物はなるべく避けることも大切です。コーヒーや紅茶などは、ほどほどにしておきましょう。酸性度の高い飲食物も、歯の過敏性につながる可能性があります。もし歯がしみてきたら、早めに歯科医に相談するようにしてください。さらに、色のつきやすい食事に対する対策としてトリートメント剤をホワイトニング後に使用することで、食事による着色を抑えることができます。
-
Question04
ホワイトニング効果で見た目の印象は変わる?
ホワイトニングの効果は、単に歯を白くするだけにとどまりません。歯並びをきれいに見せることも可能です。歯が白くきれいな歯並びだと、笑顔もより魅力的になります。人の笑顔を構成する要素において、目元は1割に過ぎず、9割は口元と言われています。芸能人のポスターで、白く輝く歯を見せた笑顔が多いのもそのためです。ホワイトニングを行うことにより、美人に見えやすくなるでしょう。