セレック治療とは?セラミック治療との違いとおすすめの審美歯科クリニック~東京編~
このページでは、セレック治療について解説します。審美歯科の1つとして、近年注目を集めるセレック治療のメリット・デメリットを詳しく紹介すると共に、従来のセラミック治療との違いについても説明していきます。
セレック治療とは
セレック治療における「セレック」とは、セラミック(Ceramic)とリコンストラクション(Reconstruction)を組み合わせた造語です。金属アレルギーを抱える患者様であっても、アレルギー反応を起こさず受けることができます。治療においてはセラミックを使用するため、従来のセラミック治療に近いものとなっていますが、セレック治療なら1日ですべての工程を終了できるのが特徴です。
セレック治療が従来の審美歯科と異なるのが、コンピューターを積極的に導入している点です。まずは歯型の採取を光学カメラの撮影によって実施。その後、歯科医師がコンピューター制御によって歯の詰め物・被せ物を設計・製作する「CAD/CAMシステム」を使用することで、素早く治療を進められます。
「CAD/CAMシステム」で表示される3D画像によって、詰め物・被せ物の精巧な設計が可能になりました。設計後は、「ミリングマシン」と呼ばれる自動切削機によって、セラミックブロックの削り出しを実施。精密な詰め物・被せ物を製作します。こうしたシステム活用によって、歯科医師は歯科技工士に依頼せず、自ら詰め物・被せ物を作製できるようになりました。そのため、治療が短縮できるほか、費用についても抑えられる可能性が高いのです。
セレックシステムとは
セレック治療において使用される「セレックシステム」とは、チューリッヒ大学のヴェルナー・メルマン教授とマルコ・ブランディスティーニ博士によって開発されたシステムです。システムが実際に臨床応用されたのは、1985年のこと。当時は世界初の歯科用CAD/CAMとして注目がされました。35年が経った現在では、矯正治療やインプラント治療など、さまざまな歯科症例にセレックシステムが対応しています。
現在のセレックシステムでは、口腔内スキャナー「CEREC Primescan」、ハイテクな加工機「CEREC Primemill」、デザインソフトウエアである「CERECソフトウェア ver.5.0」、ファーネスに「CEREC SpeedFire」などがラインナップ。1度の通院をするだけで、患者様の治療が完了できるよう、万全のサポートが行われているのです。
セレックのメリット
セレックのメリットとして、まず挙げられるのが「治療スピード」です。従来の治療方法の場合、まず型取りを行ったあとで歯科技工士がセラミックを作製するため、だいたい一週間ほどの期間が生じていました。しかし、セレックシステムを採用すると、型取りから施術までを1日で終えることができるため、迅速に治療を終えられます。
また、セレックの特徴として、お口の中で型取りを行う必要がないという点も大きいでしょう。一般的な歯の被せもの・詰め物を作成する際は、粘土感やシリコン感のある印象材を使用しており、嘔吐反射のある患者様は拒否感を覚えていたかもしれません。セレックシステムであれば、3D光化学カメラで対象の歯を撮影するだけで型取りが可能です。そのため、治療における患者様の負担軽減が見込めるようになるでしょう。
審美歯科の1つであるセレックは、専用の機械がプログラムに沿って型を作製していくため、美しく精巧な見た目が期待出来ます。また、患者様の歯にフィットする造りとなっており、耐久性が高いだけでなく、二次虫歯の防止につながる点も大きなメリットとして考えられています。使用される素材はセラミックのため、金属アレルギーによる不定愁訴が不安な方にもおすすめです。
セレックのデメリット
見た目が良く、耐久性に優れ、治療を迅速に行えるなど、メリットの多いセレック。しかし、いくつか把握しておくべきデメリットも存在します。まず、把握しておきたいのが、セレックは原則として保険適用外の治療である点です。歯科医院によって多少の差はありますが、保険治療で受けられる処置と違い高額な費用が生じるのは避けられないでしょう。
また、セレックは型取りをすべてコンピューターが担っているのが特徴です。これにより、治療スピードが飛躍的に短縮されているのは間違いありませんが、一方で熟練の技工士が作製したものと比べると、若干審美性が落ちるケースもあります。もちろん、多くの場合気にならない程度ではあるものの、審美性に大きくこだわっている患者様には、あまりおすすめできません。
また、費用や審美性が気にならず、セレックを希望する患者様であっても、お口や歯の状態によっては適用できないケースもあります。虫歯や歯周病が見つかった場合には、まずそちらの治療が優先されるため、セレックの魅力である迅速な治療が受けられなくなるリスクを考慮しておかなければなりません。さらに、稀ではありますが、前歯の形次第でセレックが受けられない可能性もあります。
セレックに向いている症例
セレックが適している患者様の例として、まずは「歯間の隙間が空いている」パターンです。セレックは歯の大きさや形を適切に補正できる治療のため、ちょっとした隙間を埋めるのにおすすめの治療となります。歯に隙間がなくなれば、汚れが詰まりにくくなることで、虫歯や歯周病回避にもつながるでしょう。もちろん、審美性の向上も狙えます。
また、歯並びが少し悪かったり、歯が変色したりしている場合にも、解決手段としてセレックをおすすめできるでしょう。セレックは、捻転した歯の回復に適しているほか、虫歯などによって黒ずんでしまった歯や、治療によって銀歯になった歯を天然歯と非常に近い色合いに修復できるケースがあります。そのほか、歯が欠ける、詰め物が取れるなどのトラブルにもおすすめです。
セレックに向いていない症例
セレックは軽度の歯列不正や変色であれば対応できる一方、各症状が重度の場合には適さないケースがあります。たとえば、土台となる歯に重度の変色が見られる場合には、セラミックの色にも影響が生じるリスクがあるため、おすすめできません。同様の理由により、極度の歯列不正をセラックで治そうとすると、神経を取る必要性に迫られる恐れがあり、向いている症例とは言えないでしょう。
また、セレックの土台となる歯に既に金属が使用されている場合、審美性に悪影響が出る危険性があります。金属が土台に使用されている場合、セラミックの仕上がりが通常より暗くなり、グレーのような色合いになる可能性は否定できません。これを改善したいのであれば、遮蔽効果のある被せ物を作製する必要があるでしょう。
セレック治療とセラミック治療の違い
セレック治療とセラミック治療は、似た部分もある審美歯科であるため、混同されてしまいがちです。しかし、いくつかの点で明確な違いがあるため、しっかり確認しておきましょう。
まず、セレック治療とセラミック治療では「作製方法」が異なります。セレック治療が「CAD/CAMシステム」を使用し、詰め物・被せ物の設計・製作を実施するのに対して、セラミック治療はいわゆる通常の型取りを実施するのが特徴です。型取り後には、歯科技工士が詰め物・被せ物の作製を行います。
セレック治療は歯科医師のみで型取りから修復物作製までの工程が完結するため、よりスピーディーであるのに対して、セラミック治療は専門知識と技術を備えた歯科技工士が製作するため、より精巧な修復物が期待できるでしょう。
上記で触れたように、セレック治療とセラミック治療では、治療期間にも違いがあります。セレック治療が最短1日で終了するのに対して、セラミック治療は外部への依頼が生じるため、2回以上の通院と1カ月以上の治療期間が発生する可能性があるのです。スムーズな治療を望むのであれば、セレック治療が適していると言えるでしょう。
加えて、治療費に付いても、セラミック治療と比べセレック治療は安価であるケースが多いため、より経済的な治療方法となっています。
【当サイトの掲載情報について】
審美歯科治療は、施術内容や状態によって数千円~数百万円かかる治療もあります。必ず治療前にどの治療が適しているのか、費用は相場と極端に違いがないかをご確認のうえ、治療に臨んでください。副作用として、虫歯になる可能性や知覚過敏になるなど様々な症例もあるため、各治療ごとにどんなリスクがあるのか医師に確認してみましょう。当ページの情報は各クリニックや各歯科学会で公表されている情報をもとに作成しております。正確な情報発信に努めておりますが、最新の情報や詳しい内容については各公式サイトや医師に直接ご確認ください。
【審美歯科治療について】
審美歯科治療は、歯や口元の美しさに焦点を当てた総合的な歯科治療の総称です。一般的に審美(見た目改善)を目的としたセラミック治療、矯正治療、ホワイトニング治療等が挙げられ、それぞれ様々な治療法が確立されています。
【審美歯科治療の費用】
審美歯科治療を始め、美容(見た目改善)目的の医療行為は基本的に保険適用外となり、治療費用は全額自己負担となります(※症例・医師の判断により、稀に保険を適用できるケースもございます)。施術内容や状態によって数千円~数百万円かかる治療までさまざまあります。料金に関しては治療内容やクリニックごとに異なりますので、治療にかかる費用の総額は事前にクリニックへお問合せください。
【審美歯科治療の治療期間】
治療内容やクリニックによって大きく異なります。また、一人ひとりの口内の状態によっても治療期間は変わりますので、担当医師に確認することをおすすめします。
【副作用・リスクについて】
副作用として、虫歯になる可能性や知覚過敏になるなど様々な症例もあるため、各治療ごとにどんなリスクがあるのか医師に確認してみましょう。金属を使用した装置の場合、金属アレルギーの恐れもあります。当ページの情報は各クリニックや各歯科学会で公表されている情報をもとに作成しております。正確な情報発信に努めておりますが、最新の情報や詳しい内容については各公式サイトや医師に直接ご確認ください。
【未承認機器について】
クリニックによっては、厚生労働省未承認の医薬品・医療機器を使用しているところもあります。未承認の医薬品および医療機器の使用による治療は、厚生労働省によって効果が認められているものではありません。施術は、医師とよく相談し納得したうえで受けるようにしましょう。 また、クリニックによっては医療機器の入手経路が異なりますので、詳細はクリニックにお問い合わせください。
①インビザラインについて
例えば審美歯科治療の一つであるインビザラインは、日本国薬機法上で認証・承認を得ていない装置・医療機器であり、日本国歯科技工士法上の矯正装置にも該当しません。また、日本国内において同一の性能を持つ類似の承認医療機器があるかは、治療を受ける医療機関でご確認をお願い致します。
②インビザラインの入手経路について
また、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(製品名:インビザライン®)は、米国アライン・テクノロジー社の製品であり、日本において歯科医師・歯科技工士が製作するものではありません。海外の工場でロボットにより製作され、米国アライン・テクノロジー社のグループ会社である「アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社」を通じて入手されます。
③インビザラインの諸外国における安全性
インビザライン治療は1998年にFDA(米国食品医薬品局)により医療機器として認証を受け、世界各国で提供されている治療です。2023年3月時点でインビザライン治療を受けた患者数は1500万人以上(※1)。重大な副作用は報告されていませんが、今後リスク・副作用が報告される可能性があることを留意しておきましょう。なお、日本では完成物薬機法対象外の矯正装置なため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。