ヒアルロン酸による歯茎・歯肉再生治療
手軽に受けられるヒアルロン酸注入による歯茎再生治療について治療の流れからメリット・デメリット、費用を紹介します。
- ヒアルロン酸による歯茎再生治療とは?
- ヒアルロンを注入する目的とその効果
- ヒアルロン酸治療がおすすめの方
- ヒアルロン酸による歯茎再生治療の流れ
- ヒアルロン酸による歯茎再生治療の費用
- ヒアルロン酸による歯茎再生治療のメリットとデメリット
- ヒアルロン酸治療と歯肉移植法との違い
- ヒアルロン酸治療の注意点
- 当サイトの「歯茎再生」に関するコンテンツ作成の方針
ヒアルロン酸による歯茎・歯肉再生治療とは?
ヒアルロン酸といえば、化粧品やスキンケア商品に配合されている美肌のための成分ですが、下がった歯茎に弾力を取り戻すことにも利用されています。そもそも、ヒアルロン酸は人間の皮膚などにある成分で、保湿性や弾力性があって肌にハリを与える役割があります。
このヒアルロン酸を直接歯茎に注入することで、コラーゲンを増やして歯茎に弾力を与えて、歯茎下がりなどを改善することができます。ヒアルロン酸を注入すると、歯茎が自然にふくらんでくるので、インプラント手術などによって歯茎に隙間が空いた場合にも効果的です。
ヒアルロン酸はもともと人間の体にあるものなので心配することが少なく、関節に注射して痛みや炎症を取り除く治療などにも使われているものです。
ヒアルロンを注入する目的とその効果
ヒアルロン酸注入の効果
歯茎再生治療としてヒアルロン酸注入を行うのは、ヒアルロン酸によって歯茎を「膨らませる」ためではなく、歯肉のコラーゲン繊維の形成を促進させ、歯肉を強く、痩せにくくするためです。そのため、ヒアルロン注入の実際の効果は、注射直後ではなく、注入後にヒアルロン酸が周辺組織に吸入された2-3週間後以降の状態から判断されます。下がった状態の歯肉はコラーゲンを形成する力が衰えてしまっています。そのため、一度の注入だけでは新しいコラーゲン形成を促進させることは難しく、一般的にヒアルロン酸注入は3回ほど行われます。治療を数回行うことで、効果が長続きすると言われるのは、それまでの治療によってコラーゲン繊維が形成され、歯茎が強く、痩せにくくなっているためです。
持続期間
効果のあらわれ方に個人差があるのと同様に、効果の持続期間にもばらつきがありますが、ヒアルロン酸は約2-3週間で周辺組織に吸入された後、およそ半年から1年ほど効果が持続します。
副次的効果
ヒアルロン酸注入により、歯茎のボリュームが増すだけでなく、歯茎の色もよくなることもあり、審美的な面でのメリットは大きいでしょう。
ヒアルロン酸治療がおすすめの方
歯周病などの異常はないけど歯茎下がりが気になる方
ヒアルロン酸治療は、歯茎の状態が良く、出血や腫れなどがない場合に適用されるので、炎症などが起こっていると使用できません。歯周病などの治療をした後などに、歯茎下がりが気になる方にはヒアルロン酸治療が適しています。
治療を簡単に済ませたい方
ヒアルロン酸治療は、ほかの歯茎治療と比べても、施術が簡単で痛みもありません。 その分、何度も通わないといけませんが、大掛かりな手術は避けたい方、手軽に済ませたい方にはヒアルロン酸治療がおすすめです。
ヒアルロン酸による歯茎再生治療の流れ
- 歯茎に麻酔をします。
- まず、歯茎の中でも歯に近い部分にヒアルロン酸を注入します。
- 次に、歯と歯の間の歯肉にも同様にヒアルロン酸を注入します。
- このように1回の治療でヒアルロン酸を2段階に注入するのを、3週間おきに繰り返します。
※1回のヒアルロン酸注入にかかる時間はおよそ15-30分です。
ヒアルロン酸による歯茎再生治療の費用
歯茎のヒアルロン酸治療は、保険が適用されない自由診療です。ヒアルロン酸を注入する量や回数によって費用は異なりますが、相場は大体1回2万円~3万円程度です。一般的に効果が出るまで3回程度かかるので、トータルで6万円~9万円程度かかるでしょう。
ヒアルロン酸による歯茎再生治療のメリットとデメリット
メリット
- 注射でヒアルロン酸を注入するだけなので治療が比較的簡単
- 継続して治療すれば持続期間が長くなる
- もともと人間の体にある成分なので、アレルギーも出にくい
- 治療中や治療後に痛みや腫れなどが少ない
- 治療後に特別な処置が必要ない
- 繰り返し行うと歯周病などの炎症が起こりにくくなる
デメリット
- 歯茎の状態が良くないと治療を受けられない
- 効果の出方には個人差があり、完全に元通りの歯茎になるとは限らない
- 効果は永久的には続かない(持続期間は半年から1年程度)ので、効果が減ってきたらその都度何度も治療を行う必要がある
- 効果が出るまで3回ほど治療を受ける必要がある(3週間おきに3回程度)
- ヒアルロン酸を注入してもすぐに効果が出るわけではない
ヒアルロン酸治療と歯肉移植法との違い
痩せてしまった歯肉や歯茎下がりの治療法として、歯肉移植法というものもあります。これは、ほかの健康な歯肉や歯茎の組織の一部を切り取って、歯茎が痩せている部分に移植する方法です。ヒアルロン酸治療と比べて手術が難しいことや術後に痛みが生じるなどのデメリットがありますが、一度の治療で永続的に効果が続くというメリットがあります。
ヒアルロン酸治療の注意点
歯茎の状態が良くないと使用できない
歯槽膿漏や歯周病などで歯茎の状態が悪い方はヒアルロン酸治療を受けることができません。歯茎の腫れや出血がなく歯周ポケットが2-3mmと浅い健康な状態の方のみがヒアルロン酸治療の対象となります。
歯茎の下がりが完全に戻るとは限らない
歯茎の下がり具合や歯茎の厚さなどには一人ひとりに差があるため、ヒアルロン酸治療によって歯茎の下がりが戻る程度にも差がでてきます。完全に以前の状態に戻るわけではない可能性は事前に考慮に入れておく必要があります。
効果は永久ではない
ヒアルロン酸治療の効果は注入後、約半年から1年です。効果は永久ではありませんが、ヒアルロン酸注入は、歯肉のコラーゲン形成を促進させるので、治療を継続することで、コラーゲンを形成する機能が高まり、効果の持続期間が長くなります。
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