歯のホワイトニングとクリーニングの違い
歯のホワイトニングとクリーニングは、目的も治療法も効果もまったく異なるもの。合わせて行えば、より魅力的な口元になりますが、歯に必要な治療として使い分けることも重要です。
歯のクリーニングとは?
まずは、歯のクリーニングについて、理解しておきたいところ。クリーニングは、一言でいえば歯の掃除。虫歯や歯周病の予防にもつながり、歯を衛生的に保てるケア方法です。
PMTC
審美歯科などで歯の清掃を行ってもらうのが、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)です。歯には自分では見えない汚れ、自分では落とせない汚れがつきやすいもの。自宅での歯磨きでは落とせない歯の汚れ、歯垢などを歯科衛生士がきれいにしてくれることで、虫歯や歯周病の予防になります。念入りに歯磨きをして、デンタルフロスで仕上げをする人でも、ある程度は歯垢が残るでしょう。磨き残しは同じ場所に起こりやすく、そこが虫歯や歯周病の発生源になります。歯垢が歯石になると歯ブラシでは取れなくなってしまうため、プロの歯科衛生士に専用の機器を使ってPMTCをしてもらうのがトラブルの解消法です。定期的にPMTCを受けることで歯の健康状態を保ち、虫歯や歯周病のリスクを早期発見することにもつながります。
PMTCは歯が白くなる?
歯のクリーニングであるPMTCと歯のホワイトニングは、目的も治療法も別ものです。ただし、通常ホワイトニング目的では、PMTCを受けても効果がないと思われがちですが、じつはPMTCでも歯が白くなるケースがあります。その理由は、歯の表面がかなり汚れている場合、PMTCを行うことで表面汚れが落ちるため。しかし、歯の色は表面汚れに限らず、エナメル質の内側にある象牙質の色も関係していることから、クリーニングで表面汚れを落としても思うようには歯が白くならないこともあります。クリーニング自体は歯の衛生状態を保つために有効ですが、歯を白くしたいことを最優先にするなら、ホワイトニングを選ぶのが賢明といえるでしょう。
ホワイトニングとクリーニングの違い
クリーニングの基本的な目的は、虫歯や歯周病を予防すること。歯垢や歯石を除去して、歯と口の中を衛生的に保つのが第一の目標です。つまり、歯を白くするためのホワイトニングとは、基本的な用途が違うことがわかります。歯の表面汚れを落とすという意味ではクリーニングが有効なときもありますが、それだけで歯が白くなるわけではないと認識しておくことも大切です。歯のホワイトニングでは、薬剤などで色を漂白します。一方、クリーニングは汚れを落とすのみ。歯を白くしたいのであればホワイトニングが必要で、掃除をしたいのであればクリーニングが必要になります。これらの違いをおさえておき、自分が望む治療法を選ぶようにしましょう。
ホワイトニング後にクリーニングを
歯を白くしたいだけであれば、ホワイトニングだけを受ければいいと思いがちですが、それだけでは効果が続かないこともあります。クリーニングがホワイトニングにならないのと同様に、ホワイトニングもクリーニングにはなりません。ホワイトニングで歯を白くしただけでは、口の中が完全にきれいになったとは言い難いのです。歯のホワイトニングは、3~5年程度は効果が続くのが一般的。しかし、その間に虫歯や歯周病になってしまえば、次のホワイトニング治療を受けられない可能性が高くなります。だからこそ、歯のホワイトニング治療のあとには、クリーニングを受けておくのがおすすめです。ホワイトニングを長持ちさせるために、クリーニングは非常に効果的といえます。定期的に、クリーニングを受ける習慣をつけるようにしましょう。