セラミックの歯に寿命はある?
虫歯や歯周病などによって失われた天然歯の役割を補うために、人工的に作って口腔内に入れる歯である人工歯。最近では、新たな素材の開発によって人工歯には、様々な種類が誕生し、その特性ごとに自由に好きなものを選ぶことができるようになりました。ここでは人口歯の寿命について解説します。
セラミックの平均寿命は?
人口歯の特性の中できになるのが耐性。つまり、どれくらいの期間、使い続けることができるのかということです。人工歯の種類によって異なりますが、例えばセラミックの場合だと、施術を行ってもらったクリニックや歯のどの部分に使うのかにより違いはありますが、目安としては5~20年ぐらいだと言われています。なぜこれだけの開きがあるのかというと、日々のメンテナンスやこまめにクリニックへ通ってドクターの診断を受けているかによって異なるからです。通常の銀歯などに比べて費用の高いセラミックの歯をいつまでも使っていられるようにしっかりとケアしてあげましょう。
そのほかの素材との比較
では、セラミック以外の人工歯の平均寿命はどれくらいなのでしょうか?確認していきましょう。
金属
金属の人工歯として有名なのが、普段、私たちが見かけることの多い銀歯。正式には、金銀パラジウム合金と呼ばれます。この銀歯の平均寿命は、3~5年。強度だけで考えると金属の素材である銀歯が一番、寿命が長いように感じますが実は寿命が最も短くなっています。
金属なので、銀歯自体が破損することはほとんどありません。それなのに寿命が短い原因は「二次カリエス」です。二次カリエスとは、詰め物や被せ物の下で起きる虫歯のこと。銀歯はどれだけ精巧に作られていたとしても、歯との間にわずかな隙間ができてしまいます。詰め物や被せ物をする場合は、歯の内部の象牙質まで削ってあるため脆く、最近が入り込みやすい状態になっているのです。そのため、虫歯菌を含んだ唾液が流れ込むことで銀歯の下で再び虫歯になってしまいます。虫歯によってさらに歯が侵食されて銀歯のサイズが合わなくなってしまうということです。
ジルコニア
国内の歯科治療では、治療で金属を使用することが問題視されるようになり、最近ではメタルフリーの治療が徐々に増えてきています。そこで金属の代わりに使用されているのがセラミックやレジンと呼ばれるプラスチック。中でもセラミックは、レジンに比べて吸水性が低く臭いがしにくく、強度や審美性に優れているのが特徴です。そんなセラミックの中でも特に注目されているのがジルコニア。人工のダイヤモンドとも呼ばれ、人工関節やレーシングカーのブレーキの素材としても使用される頑丈さが売りの材料です。
従来のセラミックだと、セラミックだけでは十分な強度を保つことができず、金属の裏打ちをしなければなりませんでした。ところが、このジルコニアは、単体でセラミックの3倍の力にも耐えられるなど強度は十分。そのため、口腔内での寿命は20年ともいわれています。しなやかで強靭なため、裏打ちの必要がないので光透過性に優れ審美的なのもポイントです。
レジン
レジンとはプラスティック素材で出来た歯の修復物のこと。歯を削った部分や欠けた部分に柔らかい状態のレジンを入れて、光を当ててしばらく放置することでしっかりと固めることができます。このやり方であれば、基本的にはどのような形にも加工することが可能です。
レジンは、プラスチックでできているので、それほど耐久性はありません。適度な柔らかさを持ち合わせているので、歯を動かしたり、噛んだりすることで少しずつ削られていくことがあります。さらに大きな力が加わると場合によっては割れてしまうことも考えられます。そのため、レジンの平均寿命は、銀歯と同じく2~3年とされています。しかし、万が一、擦り減ったり割れてしまったとしても、再度、埋めなおすこともできるので、それほど問題はありません。治療を受けた後もこまめに歯科クリニックへ通っていればすぐに相談することもできます。
審美歯科でセラミック治療を考えている人へ
ワンポイントアドバイス
人工歯の種類ごとに平均寿命を中心に特徴を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?中でもセラミックやジルコニアといったプラスチック製のものが平均寿命が長いのはもちろん、審美性も高く費用対効果が高いことが分かったと思います。 とはいえ、先ほど説明したように同じ治療を受ける場合でもドクターの技術力によって平均寿命が変わるケースもあります。ですので、きちんとした処置をしてくれるドクターがいるクリニックを探すのがとても重要です。最近では、実際に治療を受けた人の口コミなどがネット上などで簡単に見つけることができるので、参考にしてみるのも良いかもしれませんね。